日本時間2014/05/25 午後3時にローンチされた仮想通貨「Ringo」の情報まとめWikiです。導入から運用まで。出ている情報を一通り纏めていきます。

最悪の事象について考える

消失(焼失)するとどうなるか

 ウォレットの消失(焼失)、破損。これは仮想通貨ユーザーにとって最も危険かつ有り得る話で、とてつもなく厄介で、しかし限りなく現実的な問題です。
 ウォレットデータを消失した場合、どうなるか。
答え:どうにもならない
 ウォレットが、例えば停電やBSoD(ブルースクリーン)によって書き込み中に破損した場合。
 HDDやSSDが故障した場合。
 ウイルスによって書き換えられた場合。
 すべてにおいて、例外なく、救済措置はありません。

 ウォレットのデータは、例え1オクテット(1バイト)であっても、1ビット(1/8バイト)であっても、書き換わってしまうと破損扱いとなってしまいます。(まあ、この場合だと運が良ければ一部だけ戻ってくるかもしれませんが)

 せっかくの上級者向けページですので、一応の救済策について、書き起こしておきましょう。
 但し、いずれの救済策も何かしらのバックアップが成立していることが前提であり、無策では復元できなくて当然です。

 何度でも書きますが、最適解はウォレットはマメにバックアップし、かつ分散保存させることにあるです。
 

ウォレットデータを回復する

 残高がおかしくなってしまった場合の修復方法です。repairwallet コマンドでウォレットの修復を試みるという手段があります。
 但し、現行のクライアント(ウォレット)では使えても、今後使えなくなる可能性があります。
 ウォレットをいったん別の場所にバックアップしておき、同期完了したらデバッグウインドウからコマンドを実行します。
 残高が正しく表示されない場合、まあだいたいこれで解決できます。

ディスククラッシュ等で完全にウォレットデータを消失した場合

 原則として、ウォレットデータをバックアップから復元するだけで問題ありません。
ウォレットのバックアップがない場合
 もし、dumpprivkeyコマンドによって、ウォレットのアドレスの「秘密鍵」を確認して、それを書き留めるなり保存している場合、チャンスがあります。
 importprivkeyコマンドを使い、(新しいwallet.datに)過去のアドレスを追加することによって、残高を取り返すことができる可能性があります。
 時間がものすごく掛かりますが(過去の取引データを遡って該当する取引を見つけるため)、完全ロストよりはマシでしょう。
 同じようにdumpwalletしていた場合は、importwalletで復活させることができますが、ここまでやってる人ならwallet.datくらいバックアップしているはずでしょ。
単純な削除等によるロストの場合
 Windowsが生きていて、しかし消失した場合、かつ、システムの復元で監査有効、かつファイル監査も有効の場合、

 フォルダのプロパティ画面から、以前のバージョンで復元できる可能性があります。
 但し、ウイルスによってグチャグチャにされたらどうにもならないかもしれませんが。このイメージの場合、3世代くらいのバックアップが残っています。
 直近のものが最適でしょう。それでも駄目ならその前のバージョンで。
Tips:バックアップ後に作られたアドレスへの入金は当然ながら鍵情報(アドレス情報)が無いので戻ってきません。
 少しでも取り戻したい、という人に向けた最後の手段のひとつでしょう。
OSクラッシュによるデータロスト
 オペレーティングシステムが死亡してしまった場合でも、もしHDDが生きていれば、そこからサルベージすることが出来るかもしれません。
 マシンからディスクを取り出し、他のマシンに接続して、リードオンリー(書き込みしない)ようにしてデータを救出する方法です。
 但し、復元ソフトウエアの価格と、時間、接続ケーブルや技術は確実に必要になります。
 はっきり言って、ここまで出来るなら普通バックアップくらい出来るだろう です。

消失したコイン(通貨)について

前置きならぬ中置き
 どうしてここまでくどく書くのかというと、(ここらへんは管理人の私事になるのですが)デジタルデータの復旧なんていうのは実はとても簡単で、何か裏技とか使えば何の問題も無いのではないか、という人がとにかく多いからです。
 仕事柄+趣味柄、コンピュータと接する機会の多い自分ですが、故障したマシンの修理とか、クラッシュしたデータの復旧なんかを依頼されることが時々ありまして。そういう人は往々にして
  • バックアップなんかしない
  • そもそもそんな概念を知らない(知ろうともしない)
  • 困ったら誰かが助けてくれる
 と思っています。コンピュータがおかしくなったら専門知識を持った人なら簡単に直せるだろう、という具合ですね。
 そして、修理や復旧が成功する確率は、まあ全体の50%〜60%くらいでしょうか。軽微な異常なら難しくないのですが。
 で、問題が深刻すぎて修理が出来ない、となると、たいがいの人は怒ります。もしくはゴネます。「どうしてこの程度が直せないんだ」「大切なデータが入ってるんだ何とかしろよ」「そんなに難しくないんだろ」と。まあ、丁寧に説明するんですが、普通は納得してくれません。
 そういう場合、私は冷たくこう言い放ちます。
  • HDDの復旧、ちゃんとした業者にお願いすれば30万円くらい、ラボで完全復旧目指すと100万円くらい掛かりますけど。(HDD完全破損のとき)
  • 鍵をかけたのはあなたで、その鍵が失われていますが。どうやって錠を開けるんですか。(My Documentsを暗号化している人)
  • どうして、あなたの所有物で、あなたがコントロールしていて、あなたの責任において故障したのに、私が責められるんですか。
  • そんなに大切な情報なら、どうして別の媒体にコピーしなかったんですか?
 リアルもネットも同じです。重要な情報は、複製して、いざという時に別手段で回復出来るようにするべきでしょう。これはパソコンに限らず、携帯電話だって同じです。

閑話休題

 完全に消失したデータは、ブロックチェーン上には残っていますが、それを取り出す方法がありません。まさしく塩漬け、あるいは家主・持ち主のいないタンス預金みたいなものでしょうか。
 操作する方法は無くなります。例えが悪いようですが、手に持ってる紙幣に火をつけて燃やすようなものです。灰になっておしまい。仮想通貨でも同じようなもので、「理屈上は存在しているけれど、現実として存在しない」ことになります。
 これはどの仮想通貨にしても同じで、本当に、完全に、どうしようもない状況となります。
 PoWタイプのコインであれば、再びマイニングして得て行くしかありません。ただし、発行枚数上限になったら、手数料収入しかないのでどうしようもないですが。
 PoSタイプのコインの場合も同じです。
Ringoの場合
 Ringoのような構造のPoSの場合、その(通貨が入った)ブロックがオフラインになりますから、ネットワークweightは増えません。但し、Total Volume(総発行量)には蓄積されています。
 どれくらいの量が死蔵されていて、あるいは消失しているのかは、ブロックチェーンを解析しないことには分かりません。
 ただ、オフラインになっていて、ネットワークweightが増えない点からして、ほかの保持者には特に悪影響は与えないことでしょう(寧ろ、PoS採掘されなくなるのでメリットとなる。また、実質的な流通量が減ることでもメリットとなり得る)

 Ringoのように発行量の多いコインでは、例え十万単位が消えても【さしたる量】で済みますが、逆にBitcoinのような発行枚数が少なく価値の高いコインになった場合は、消失した本人もショックでしょうし、市場という観点からみても割と重大な状況になり得るでしょう。(そのBitcoinも、実際の流通量は僅かしかないという話も耳にしますし)

まとめ

  • 消失させた本人からすれば阿鼻叫喚の地獄絵図
  • コインネットワークからすればメリットとデメリットが存在する
  • 利用者からすると(ロストした量にもよるが)相対的に価値が上昇する
  • 消えたらどうしようもない

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